奥田シェフと2015バリラ・インシエメ・デイ
2015年5月に始まるミラノ万博のテーマはFeeding the planet, energy for life.(地球に食料を、生命にエネルギーを)。現在イタリアではCo2削減を訴えた京都議定書にならい、ミラノ議定書の作成が急がれている。これは世界の注目がミラノに集まるのを期に地球規模で廃棄食品=フードウエストを50%削減しようという試みである。エネルギー効率的にも、地域活性化という観点からも、そのベースにあるのは地産地消、イタリアでいうキロメートロ・ゼロだ。 2014年10月7日、食をテーマにパルマのパルマにあるアカデミア・バリラ行われたセミナー「バリラ・インシエメ・デイ」に山形「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフが招待参加。山形の希少野菜を使う料理人としての姿勢や、地域の活性化、子供たちへの食育等、イタリア料理を通じた包括的な食への取り組みを発表し、ジャーナリストやマーケティング関係者ら、食にうるさいイタリア人たちも関心することしきり、大好評の講演だった。 さらに別会場のワークショップで奥田シェフが発表したのは塩に関する考え方で、2.5%という濃い目のパスタ湯で茹で、ソースによって洗う時間を変えるとい独自の手法。イタリア本国ではテレビCMでもおなじみ、パスタのご意見番ロベルト・バッシもこれには目ウロコだった模様で「インテッレサンテ(面白い!!)」のひとこと。 何よりも奥田シェフの人柄が周囲を楽しくさせ、ハイライトはバリラの社食でロベルトとコラボした「ツナとポルチーニ、醤油味のスパゲッティ」。「サン・ドメニコ」などでのキャリアを持つロベルトも、醤油を使ったオリジナルのパスタには興味津々だった。そしてランチタイム、長蛇の列はいつまでも途切れる時がなく、奥田流パスタはイタリア人にも好評。パスタを通じて日本とイタリアが確かにつながった貴重な機会だった。 (初出:料理王国2015年)SAPORITAをもっと見る
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