肉の殿堂ダリオ・チェッキーニ

まだ当時知る人ぞ知る、という存在だったダリオ・チェッキーニを、某誌でレポートした2002年の狂牛病騒動&ビステッカ事件の際に、「カリスマ肉屋」と命名。以来イタリアでビステッカといえば語ることのできない存在となったのは、万人の知るところである。そのダリオ・チェッキーニ、現在はメインの肉屋を中心にDario DOC、Solociccia、Officina della Bisteccaと3件のレストランを含む複合施設となっている。Dario DOCは名物のトンノ・デル・キャンティやスシ・デル・キャンティなど、肉屋ならではのシンプルな中心としたカジュアルな食堂。Solocicciaはコースメニュー中心、そしてOfficina della Bisteccaは3種類のビステッカのデグスタを含むチェッキーニのメイン・レストランとなっている。

しかし、そのハイライトはやはりなんといってもOfficina della Bisteccaでビステッカの焼き上がりとともに登場する「カリスマ」ダリオ。日本人がいるならば「お肉バンザイ」とコールしてくれるサービス精神旺盛なそのド迫力は何度行っても楽しめること間違いない。トスカーナ屈指のブランド牛「キアニーナ」をあえて使わないのもダリオ流だが、ビステッカの神髄を味わうなら一路パンツァーノ・イン・キャンティまで出かける価値は絶対にある。