フィレンツェ美食散歩09 アルマンド

「マンマ」のイメージが強いイタリア料理界だが、実際プロの料理人は圧倒的に男性が多い。それはフィレンツェでも同様なのだが「アルマンド」はお母さんシェフ、ジョヴァンナとホールを預かるしっかりものの娘アレッサンドラが切り盛りする女性陣中心の店である。

名物はニンニク好きが泣いて喜ぶ「スパゲッティ・アッラ・カッレッティエラ」。これはニンニクと唐辛子がたっぷりと入ったトマトソースのパスタで、そもそも木枯らし吹く中、客待ち中の御者が体を温めるために考案したという、暖房効果を考えたハイエナジー料理。

これでもかというほどのニンイクと、がつんとくる唐辛子のパンチ。これにタマネギの甘みも加わり、甘くて辛いパスタとなる。ふと見渡せば隣の客も、またその隣もみなカッレッティエラを食べている。

とはいえ店の雰囲気はいたって上品。劇場が近く、ジョヴァンナの夫ピエロが大のクラシック・ファンということもあって昔から音楽には縁が深く、リッカルド・ムーティ、パヴァロッティ、小沢征爾など「アルマンド」を訪れる世界的音楽家は数多い。壁を埋め尽くす写真やサインはみなピエロのプライベート・コレクション。

Borgognissanti,140r
055216219
12:15〜15:00、19:15〜22:30
日、月昼休
www.trattoria-armando.com