フィレンツェ美食散歩12 ヴィナイーノ

店の形態でいうなら「ヴィナイーノ」はトラットリアよりさらに気さくなオステリアであろう。紙のランチョンマットにコップ酒、使い込んだ器はトスカーナの正統「サトゥルニア」。一見すればただの飲み屋だが、その狭い厨房からはおいしそうな香りとともに、次々と料理が運ばれて来る。
「今日は仔羊があります。あとラザーニアも作ってみました。あ、子豚のローストも今焼き上がったわよ」と口頭試問方式で告げてくれるのはオーナー夫人のベッティーナ。飾らない料理と夫妻の気取らない接客がやけに居心地が良く、気づけば、あ、今日もまた来てしまった、と気づくことも多い。
パスタならやはり伝統の「カッレッティエラ」。こちらはトマトソースの酸味と際立つ唐辛子&ニンニクが特徴。プレッツェーモロの香りも心地よく、汗をかきかき食べた後はコップに注がれた白ワインをごくり。食後はカウンターで小盛りグラッパ「グラッピーノ」など飲みつつ明日は何食べようかと考える。主人のフルヴィオが担当するお会計も「トレンタ・パーリ・ヴィア!!」(30ユーロぽっきりでどうだ!!)というような気風のよさも下町風。いつも思うがそれにしても安い!!

Via Palazzuolo 124r
055-292287
12:00〜15:00、19:00〜22:30(金土〜23:00)日休
www.ilvinaino.com