SAPORITA BOOKS 2019年の新刊登場
SAPORITA BOOKS2019年の新刊、一挙8冊新登場。まず注目の一冊は美しい装丁の料理書で知られるGuido Tommasi社の「Cacciagione カッチャジョーネ」。これはイノシシ、ノロジカ、野ウサギ、カモ、ツグミ、キジなどなど、イタリアの秋冬の食卓を彩る多くの狩猟肉「カッチョジョーネ」を美しいリアルイラストとともにオールカラー336Pに渡って解説、展開した大著で、H.D.ソローの「森の生活」に匹敵する、人生を豊かにしてくれる必読の書。一方「Grande Libro della Carne 完全保存版、肉大全 」は食材として身近な豚、牛、羊を中心にその生態系、肉の特徴、構造をリアルイラストで重層的に解説した作品。キアニーナ、ピエモンテーゼ、ファッソーネなどイタリアを代表するブランド牛を読んで、見て識ることができる。 同じく肉シリーズからは「肉切断マニュアル I tagli delle carni」「肉の科学 La Scienza della Carne」も登場。前者は食材としての肉の部位を徹底的に解説。後者は同シリーズ「ドルチェの科学」でベストセラーとなった作家ダリオ・ブレッサニーニの続編で栄養学的観点からも食材としての肉に対する興味深いアプローチを見せている。「イタリア・チーズ大全 Atlante dei formaggi italiani」はオールカラー440P、2.6kgという重量級の大著だがイタリア全土のチーズを網羅。出版社のLibreria Geografica社は地図専門の出版社なので生産地ごとに分けた詳細な地図が特徴的。イタリアのチーズを学ぶのにこれ以上はない大著。 イタリア家庭を代表するノンナのレシピ、つまり祖母から母へと伝わる家庭料理レシピ・シリーズからは「Dolci della Nonna ドルチ・デッラ・ノンナ」「Ricette della Nonna リチェッテ・デッラ・ノンナ」が登場。いずれも文字中心の素朴なレシピ中心だが、難易度は低く歴史や逸話も満載なので、イタリア郷土料理力を高めることができる。もう一冊、今年の復活祭パスクアは4月21日と遅めだが、カーニバルから復活祭にかけての期間、イタリアには数多くの祝祭的菓子が登場する。そうした伝統的焼き菓子620点を網羅したのがSlow Food Editoreの「Torte, budini, biscotti e frittelle. 620 dolci della tradizione トルタ、ブディーノ、ビスコッティ、フリッテッレ」。この冬、イタリアの伝統菓子を研究するには最適。  

SAPORITAをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。