TASTE2019速報、今年のベスト食材はどれだ?
毎年恒例、イタリアにおける食の最新傾向を探るフードイベントTASTE(2019.03.09〜03.11)がフィレンツェで始まった。プロシュット、パルミジャーノ、ワイン、ビール、パスタ、ドルチェなど今年の参加生産者は397件。TASTE初日の本日は試食可能な約100社を周り、最新のプロダクトや伝統的食品など約300品を試食、その中からプロシュット、サラミ、チーズのベストを選んでみた。内容は以下の通り、明日以降訪れる方は参考にしていただきたい。

Best Prosciutto Crudo(最優秀プロシュット・クルード)

Coccia Sesto@VITERBO コッチャ・セスト社が作るSlowfood協会のプレシディオ食品Susianellaもいいが、地元Tuscia産の白豚のもも肉をあらかじめ骨を外してから熟成させる Prosciutto senza osso “Gran Riserva” Marchio Tuscia Viterbese18ケ月は溶けるような脂、若い熟成香、サシの入り具合といいパルマ産やサンダニエレ産をしのぐ、今回試食したプロシュット・クルードのナンバーワン。

Best Prosciutto Crudo di Parma DOP(最優秀プロシュット・クルード・ディ・パルマDOP)

Casa Graziano@TIZZANO VAL PARMA(PARMA) 1976年創業、家族経営のプロシュット工房カーサ・グラツィアーノは昨年試食した時にも印象に残っていたが今年も18ケ月は滑らかさ、塩の周りぐあい、若い熟成香、旨味などハイレベルにバランスが取れた極上品。

Best Prosciutto Crudo di San Daniele DOP(最優秀プロシュット・クルード・サンダニエレDOP)

La Glacere@SAN DANIELE サン・ダニエレの生産者は多く登場していたもののラ・グラチェーレ社の20ケ月プロシュット・クルードは熟成具合、塩加減、テクスチャーなどベスト・サン・ダニエレに値する。

Best Prosciutto di Sauris IGP(最優秀プロシュット・ディ・サウリスIGP)

Wolf@SAURIS 本来2社のみが生産しているプロシュット・ディ・サウリスIGPだが、本日試食したウォルフ社のプロシュットはややしまった肉質で軽い燻香が心地よい。

Best Prosciutto Cotto(最優秀プロシュット・コット)

Meggiolaro@STRA(VENEZIA) 1978年創業メッジョラーノ家が家族経営する小さな工房は加熱したプロシュット・コット、アロスト、ポルケッタ専門。中でも豚もも肉を25時間ローストしたCoscia al Fornoは上質で繊細な脂、水分量多く旨味の多い肉質など一度食べたら忘れられない。生ハムとは異なる加熱した豚肉の旨さを再確認できる超絶プロシュット・コット。今回試食したあらゆる加熱型プロシュットの中でもベスト。

Best Mortadella Bologna IGP(最優秀モルタデッラ・ボローニャIGP)

Artigianquality@BOLOGNA アルティジャンクオリティ社は昔ながらの製法で豚の腸を使い、手で縛った紐が手作りモルタデッラを象徴している。ビオ・モルタデッラ、サラメローザ、クラッシカ、黒豚のモーラ・ロマニョーラを使ったモーラ・モーラなど。特にクラッシカはこれぞ本当のモルタデッラ、という味わい深い逸品。

Best Pancetta(最優秀パンチェッタ)

Corte Camerlenga@BELLAGUARDA DI VIADANA(MANTOVA) マントヴァ近郊でマントヴァタイプのサラミ、パンチェッタ、コッパなどを生産するコルテ・カメルレンガは昨年も非常にマイルドで若々しいパンチェッタが印象的だったが、今年もパルマ、ランギラーノ地区などのライバルをしのぐベスト・パンチェッタだった。

Best Salame, Ventricina di Enrico(最優秀サラミ・ヴェントリチーナ・ディ・エンリコ)

Fracassa@SANT’EGIDIO ALLA VIBRATA(TERAMO) アブルッツォ州から例年参加しているフラカッサ社の異形のサラミ「ヴェントリチーナ・ディ・エンリコ」は豚ひき肉、脂、ハーブ、そしてペペローニの香りが独特のサラーメ・スパルマービレつまりパンなどに塗って食べるものだ。一見ンドゥイヤに似ているが辛さはなく、パンに塗った後軽くトーストしてから食べると香りが立ち、極上のクロスティーニになる。レア度、ビジュアル・インパクトも抜群。

Best Gorgonzola(最優秀ゴルゴンゾーラ)

Castagna@ORNABASSO,DOMODOSSOLA スイス国境近くにあるチーズ生産者「カスターニャ」が作る甘口のゴルゴンゾーラ。上品な熟成香、控えめな塩加減、旨味、テクスチャー、全てハイレベルの極上品。

Best Pecorino(最優秀ペコリーノ)

Fiorino@ROCCALBEGNA,GROSSETO 多くのチーズ・コンテストで受賞歴を持つフィオリーノ社のペコリーノは昨年初めて口にした時衝撃的な美味しさだった。今年も4種類を試食したがマレンマ産の羊乳を使い、洞窟で熟成させ、滑らかさ、口溶け、熟成香など全てが最上級のペコリーノ。

Best Taleggio(最優秀タレッジョDOP)

Taddei@FORNOVO SAN GIOVANNI,BERGAMO ベルガモのチーズは近年特にそのクオリティの高さが目立つが、タッデイ社のタレッジョDOPクロスタ・ロッサはウォッシュタイプでありながらバターのような滑らかさと複雑なアロマを持つ。

Best Ragusano(最優秀ラグサーノ)

Reale@VITTORIA,RAGUSA シチリア南部フォルマッジョ・ラグサーノの中でも洞窟で熟成させたレアーレ社のラグサーノは黄金色に輝き、複雑な熟成香と豊富な旨味、上質なミネラル感に富む。若いラグサーノは塩がたった感じのものが多いが、熟成するとこれほどまでに変化するのか、という見本のようなチーズ。  

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