ワインから作る蒸留酒Winestillery登場
イタリアにおけるカクテル・ブームは止まらない。コロナ自粛期間中もネット通販でワインの売り上げが伸びたのと並行して、スピリッツやスナックをセットにした「自宅カクテルキット」が次々に登場、話題となったのだ。これは時間を持て余していた自粛期間中に誰もがパンやピッツァ作りに精を出していたのと同様「じゃ、ひまだからカクテルでも作ってみるか、流行ってるし」ぐらいのノリで始めたのがこれが面白い美味しいのですっかりハマってしまった、というイタリア人が増えているように思う。 去る2020年9月3日、フィレンツェのシークレット・バー「ラスプーチン」で行われたのが、トスカーナのクラフト・スピリッツ・メーカー「ワインスティラリー Winestillery」と「ラスプーチン」マスター・バーテンダー、ダニエレ・カンチェッラーラとのコラボ。昨年行われたEGO CIRCUS エゴシルクスで試飲したが「ワインスティレリー Winestillery」はフィレンツェの南、キャンティ・クラッシコ地区にある新進気鋭のスピリッツ・メーカーだ。これはもともと同地区でワインを作っていたキオッチョリ・アルタドンナ家 Chioccioli Altadonnaの2兄弟が挑んだ新しいプロジェクト。ニッコロは醸造家としてワインを作り、エンリコは蒸留家としてスピリッツを作る。 エンリコが現在作っているのはロンドン・ドライ・ジン、オールド・トム・ジン、ドライ・ヴェルモット、ウオッカの4種類。いずれもワインを原料に蒸留し、100%トスカーナ産の原材料で作る。コンセプトは「Grape to Glass」ブドウからグラスへ、原料のブドウから製品まで全て自分たちで作るというこだわりようなのだ。実際にロンドン・ドライ・ジンを味わってみると豊かなねずの実の香りの奥に、ほのかに甘いスミレのようなサンジョヴェーゼの香りが隠れている。「ワインスティレリー 」のジンとドライ・ヴェルモットで作るドライ・マティーニはまさにメイド・イン・トスカーナのカクテル。いまトスカーナ各地でこうしたクラフト・スピリッツを使ったカクテル・ブームが勃興しているが、こうした店では「マティーニ」ではなくイタリア語式に「マルティーニ」とオーダーしたい。 www.winestillery.it

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