西麻布の隠れ家ワインバーVINODA

西麻布のワインバーVINODAヴィノダは、元麻布十番ケ・パッキアのソムリエ小田誠氏が2021年11月にOPEN。自らワインをセレクトし、サーブし、さらに料理も作るという小田ファンにはたまらない店だ。ケ・パッキア時代から、その素早い動きでスーパーソムリエの名を欲しいままにしていたが今回独立。元々料理人としてスタートしただけあって、ワインとともに注文したくなる小皿料理があれこれ揃う。六本木通り沿いにある階段を地下へと降りてゆくと重厚な木の扉と黒壁にはVINODAの白文字。エクスクルーシブな空間に見えるが、扉をひらけば左手のカウンターの中にはオーナーソムリエの小田氏がにこやかな笑顔で迎えてくれる。

少人数用のテーブル席もあるがこの夜はカウンターに座り、まずはFranciacorta Brut Francesco I Ubertiを一杯。突き出しにはサラミと赤ピーマンのマリネが出てきた。日替わりメニューからはブッラータとアンチョビのブルスケッタとパルマ産生ハム24ケ月と柿をセレクト。前者はざっくりとした歯ごたえの厚切りトーストに冷たいブッラータ、そしてアンチョビとオリーブオイルたっぷりのコンビネーション。後者はごく薄切りのなめらかなプロシュットに甘い柿のコンビネーション。さらに赤ワインはTenuta Nicosia Etna Rosso Contrada Monte GornaとCannonau di Sardegna Classico 2015 Gabbas Dule。追加でマスカルポーネ味噌とトリッパと牛モツの煮込み。マスカルポーネ味噌は自宅でも試せる一品でワインがすすむたまらない酒のあて。さらにトリッパと牛モツ煮込みは白ワインで煮込んであり、青唐辛子とともに甘さと辛さのコントラストを味わう。青唐辛子は小田氏出身のヒラタ系の同意語でもある。食事のあとにもう一杯という使い方もいいが、やはりここでは食前酒からはじめて小田氏の小皿を存分に楽しみたい。酒飲みが作るとこういう料理になるのか、という目うろこなメニューは一見の価値あり。

VINODA ヴィノダ
東京都港区西麻布1-2-14 デュオ・スカーラ西麻布タワーウエスト B102