フィレンツェ美食散歩30 ピストッキ
かつて馴染みのワインバーで「ものすごく美味しいチョコレートケーキだから」と勧められたのが、「ピストッキ」のトルタ・フォンデンテ・ディ・チョコラートだった。湯をつたらせたナイフを入れると、みっちりと締まったテクスチャーが伝わるや否や、すっと手応えがなく… 続きを読む
かつて馴染みのワインバーで「ものすごく美味しいチョコレートケーキだから」と勧められたのが、「ピストッキ」のトルタ・フォンデンテ・ディ・チョコラートだった。湯をつたらせたナイフを入れると、みっちりと締まったテクスチャーが伝わるや否や、すっと手応えがなく… 続きを読む
旧市街の西側、ギルランダイオの「最後の晩餐」を擁するオンニッサンティ教会のある通り。一見変哲のないこの道に、いくつかのパスティッチェリアが点々と並んでいる。界隈に住む、あるいは勤める人々にはそれぞれ気に入りの店があり、お茶にお昼にと足繁く通う。「バッ… 続きを読む
厳選された素材を正しくテンパリングすることによってのみ得られる艶やかなチョコレート。宝石のような、という形容がフィレンツェで初めて正しく用いられたと「アンドレア・ビアンキーニ」の誕生時に思った。その二〇〇四年を我々はフィレンツェにおけるチョコレート開… 続きを読む
素朴で豪快、というのはイタリア料理の魅力の一つだが、こと菓子となると時にそれだけでは“きつい”。見た目のエレガンスというものがないと楽しみが半減するのではないかと思う。故ジュリオ・コルティは32歳の時にそれまでのフォトグラファーというキャリアを捨て、… 続きを読む
トスカーナ州は、ワインを造っていないのは住宅が集まる町中だけと言ってもいいくらい、ワイン産業が盛んだ。最近はトスカーナ南部のマレンマ地方が新興ワイン産地として名を揚げつつあるが、18世紀初頭にメディチ家トスカーナ大公が優れたワインの地と認定保証したキ… 続きを読む
キャンティにはそれこそ無数のワイナリーがある。広大な畑を持ち、手広く営むワイナリーもあるけれど、訪ねていくなら小規模で家族経営的なところがいい。そのほうが、造り手のワインへの思い入れが直に感じられるからだ。グレーヴェ・イン・キャンティの町を通り過ぎ、… 続きを読む
市内中心部からちょっと離れたジョベルティ通り。サンタンブロージョ市場から歩いて15分ほどの場所にある「ボナッティ」は1934年創業の老舗。旧市街によくあるような、みやげものと一緒にワインも置いちゃう、という軟弱エノテカとはひと味もふた味も違う正真正銘… 続きを読む
旧市街でワインを探す時、まともなエノテカが少なくて閉口することが多いけれど2007年にオープンしたこの店は地元トスカーナ産を中心に品揃えも充実している。ヴェッキオ橋から徒歩2分、13世紀の塔カーサ・トッレの一階を改装した雰囲気たっぷりのロケーション。… 続きを読む
1980年代半ば、イタリアがクォリティワイン時代を迎え、より上質なワインを生産者も消費者も求め出した頃に「パーネ・エ・ヴィーノ」は誕生した。目的は「まだ知られていない高品質ワインとそれに見合った料理を提供する」こと。トスカーナ伝統料理と菰被りキャンテ… 続きを読む
ルネッサンスの古都も時代の流れには抗えず、街はどんどん変化している。建物の外観こそそのままでも、中の店は昔ながらのものは姿を消し、特に食品店や生活用品の店は急速になくなりつつある。だから、19世紀的雰囲気を今に伝えるこの店は、その存在自体が貴重である… 続きを読む