イタリア縦断鉄道の旅02 ミラノからトリノへの旅(無料公開)
旅のはじまりはいつもミラノ中央駅だった。
1970年の映画「ひまわり」はロシア戦線に送られたまま生死不明のマルチェロ・マストロヤンニを、妻ソフィア・ローレンがソ連まで探しに行く話だが、出征直前に二人が最後の抱擁を交わしたのも最後の別れの場となったのもこ… 続きを読む
旅のはじまりはいつもミラノ中央駅だった。
1970年の映画「ひまわり」はロシア戦線に送られたまま生死不明のマルチェロ・マストロヤンニを、妻ソフィア・ローレンがソ連まで探しに行く話だが、出征直前に二人が最後の抱擁を交わしたのも最後の別れの場となったのもこ… 続きを読む
フルーツたっぷり本場シチリアの味
旬の果物に適度な量の砂糖をまぶして寝かせ、風味を充分に引き出してからジェラートにするのが「カラベ」流。シチリア出身のアントニオはフィレンツェ・ジェラート界に素材主義を浸透させた張本人。お薦めは舌触… 続きを読む
かつて馴染みのワインバーで「ものすごく美味しいチョコレートケーキだから」と勧められたのが、「ピストッキ」のトルタ・フォンデンテ・ディ・チョコラートだった。湯をつたらせたナイフを入れると、みっちりと締まったテクスチャーが伝わるや否や、すっと手応えがなく… 続きを読む
旧市街の西側、ギルランダイオの「最後の晩餐」を擁するオンニッサンティ教会のある通り。一見変哲のないこの道に、いくつかのパスティッチェリアが点々と並んでいる。界隈に住む、あるいは勤める人々にはそれぞれ気に入りの店があり、お茶にお昼にと足繁く通う。「バッ… 続きを読む
厳選された素材を正しくテンパリングすることによってのみ得られる艶やかなチョコレート。宝石のような、という形容がフィレンツェで初めて正しく用いられたと「アンドレア・ビアンキーニ」の誕生時に思った。その二〇〇四年を我々はフィレンツェにおけるチョコレート開… 続きを読む
素朴で豪快、というのはイタリア料理の魅力の一つだが、こと菓子となると時にそれだけでは“きつい”。見た目のエレガンスというものがないと楽しみが半減するのではないかと思う。故ジュリオ・コルティは32歳の時にそれまでのフォトグラファーというキャリアを捨て、… 続きを読む
トスカーナ州は、ワインを造っていないのは住宅が集まる町中だけと言ってもいいくらい、ワイン産業が盛んだ。最近はトスカーナ南部のマレンマ地方が新興ワイン産地として名を揚げつつあるが、18世紀初頭にメディチ家トスカーナ大公が優れたワインの地と認定保証したキ… 続きを読む
キャンティにはそれこそ無数のワイナリーがある。広大な畑を持ち、手広く営むワイナリーもあるけれど、訪ねていくなら小規模で家族経営的なところがいい。そのほうが、造り手のワインへの思い入れが直に感じられるからだ。グレーヴェ・イン・キャンティの町を通り過ぎ、… 続きを読む
市内中心部からちょっと離れたジョベルティ通り。サンタンブロージョ市場から歩いて15分ほどの場所にある「ボナッティ」は1934年創業の老舗。旧市街によくあるような、みやげものと一緒にワインも置いちゃう、という軟弱エノテカとはひと味もふた味も違う正真正銘… 続きを読む